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中小企業の適正規模とは?成長・拡大の判断基準と経営戦略【このままでいいのか迷ったときに】

中小企業専門コンサルタント、株式会社ホワイトナイトの新井です。


いよいよGWですね。中小企業やスタートアップ経営者からは「あまり休みが多すぎるのも」という声も現実には聞こえてきますが、休める時にはしっかり休むのも経営者の仕事です。


今日のテーマは「中小企業経営者の悩み:企業規模をどこまで拡大させるべきか?」です。



これまで中小企業を中心にコンサルティングを行う中で、ある企業の支援を通じて強く感じたことがあります。それは、成長は目的ではないが、成長からしか得られないものもあるということです。


「もう十分」という状態から止まる会社


その企業は、ある段階で非常に安定していました。売上も一定水準にあり、利益も出ている。組織もコンパクトで、経営としてのストレスもそこまで大きくない。経営者自身も、「このままで十分ではないか」という感覚を持っていました。これは決して悪い状態ではありません。ある程度の企業規模で、社員にも財務的にも心地よい状態でいること。これは、中小企業が目指す一つの形でもあります。



しかし、そこで気をつけるべきこと


ただ、ある程度のサイズで心地よい状態を続けることと何もせずにいることは意味合いが異なります。何もしない状態を続けていると、徐々に変化が起きます。


・新しい挑戦が減る

・意思決定が保守的になる

・組織の学習が止まる

・外部環境への適応が遅れる


つまり、会社としての“進化”が止まるということです。



成長は「拡張」であり「学習」である


その企業と議論する中で整理したのは、成長とは単なる売上の拡大ではなく、「拡張」であり「学習」であるという考え方でした。


例えば、

・対応できる顧客の幅が広がる

・提供できる価値が増える

・組織としての能力が上がる

・新しい事業や領域に挑戦できる


こうした変化もすべて「拡張」です。


そして、この拡張が起きる過程で、必ず学習が発生するという点が重要です。常に学び続ける姿勢と行動は、企業が心地よい状態を続けるという時にも重要です。



わかりやすい「成長」という手段


意図的に学習機会を作ることもできます。ただ現実には、成長も、わかりやすく、強制的に学習を生む手段となります。


売上が倍になれば、

・業務のやり方が変わる

・組織の構造が変わる

・一人一人のスキルが上がる

・給料など待遇面が変わる


同じ仕事をしているつもりでも、まったく別の仕事になります。その結果、やらざるを得ない形で、学習と変化が起きます。



小さいままでいても良い。ただ一旦考えてみては。


繰り返します。小さいままでいることは悪いことではありません。中小企業は必ずしも規模の拡大を目指すべきものでもありません。ただ成長を目指すことがメリットになりやすいということも事実です。

「当社はこのサイズで良いんですよ」という経営者も少なくありません。そういう経営者は一旦考えてみましょうと伝えたいのです。成長を目指すということをフラットに考えてもらい、それでも自社は小さいままが良いということであれば、その判断で良いでしょう。ただ、一旦考えてみることにマイナスはありません。


さて、先ほどの企業でも、「この規模で十分」という考えが強くなるほど、新しい挑戦に対して慎重になっていきました。


しかし、その判断が積み重なると、結果として可能性を狭めることになります。ここで重要なのは、今が最適な規模かどうかは、今の時点では分からないということがあるということです。



育ててみることでわかることもある


ビジネスはよく、育てていくと全く違うビジネスになっていくことがあります。祖業と現在の主力事業が異なることはよくあることです。最初は祖業を大事にしていこうと思っている企業でも、時間の変化とともに変わることはよくあります。


・小さいままで完成なのか

・もっと大きくなるべきものなのか

・全く違う方向に伸びるのか


これは、ある程度育ててみないと分からない部分もあります。途中で「このくらいでいい」と決めてしまうことで、本来持っていた可能性を自ら閉じてしまうことも現実にはあるのです。



小さな実験を繰り返す会社が強い


その企業では、

・新しい取り組みを小さく試す

・結果を見る

・可能性があれば深く掘る

・ダメならすぐやめる

このサイクルを回すようにしました。


重要なのは、最初から全力でやらないことです。まず試してみる。そして結果として想定以上の反応があったものに力を入れる。あらかじめ撤退基準を決めておき、うまくいかなかったら即撤退する。これを繰り返すことで、事業の「当たり」が見えてきます。



シグナルに対して素直であること


もう一つ大事なのは、シグナルに対して素直であることです。うまくいく兆しが見えたら、すぐにリソースを集中する。この判断が遅れると、人も時間も無駄に消耗していきます。



成長は嬉しいだけではない


ただし、ここで一つ誤解されがちな点があります。成長は、楽なことではありません。むしろ、成長を続ける状態に耐える方が難しいという側面もあります。


・組織が複雑になる

・意思決定が難しくなる

・責任範囲が広がる

・求められるレベルが上がる


だからこそ、成長する前から準備が必要になります。そして経営者は社員に、自社をどのようにしていきたいか、伝えていくことが重要なのです。



中小企業にとっての現実的な考え方


何度も言いますが、中小企業においては、無理に規模拡大を目指す必要はありません。


ただし、

・成長機会があるのにやらない

・試せることを試さない


これは、機会損失になる可能性があります。重要なのは、成長を目的にするのではなく、成長から生まれる学習を活かすことです。


最後に


中小企業の経営において、経営者は「このままでいいのか」「もう少しやるべきか」と迷う場面は年に何度もあります。そのときに一度立ち止まって考えてみると、次の一手が見えてくるかもしれません。



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新井 庸支(あらい やすし)

株式会社ホワイトナイト代表。

370社以上の中小企業支援実績、契約企業の90%以上の業績を向上させたという実績を背景に、「中小企業の課題であれば、どんなことでも必ず明確な答えを出す」という強い自信と信念と方法を持つ。


「この会社をなんとかする」という経営者と同じ熱量で向き合い、経営戦略、マーケティング、DX、AI活用、広報戦略を指し示すプロフェッショナル。民間だけでなく行政関係のアドバイザーを務めるほか、事業承継アドバイザー資格をはじめ多くの資格も保有している。

また、公的機関や大学での教育活動も精力的に行う。




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