社員の「それは私の仕事ではありません」は経営の黄信号
- 新井 庸支

- 6 日前
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更新日:2 日前
中小企業の現場で、よく起きていること
人が足りない。
業務は増えている。
その中で、どこかの役割が欠けている状態になっている。
例えば、こんなこともあります。
・大手企業から転職してきた優秀な人材だが、役割の捉え方が合っていない
・これまで会社を支えてきた人材が、実質的に第一線から外れている
こうした状況は珍しくありません。
そして、そのような場面で実際に聞かれるのが、
「それは私の仕事ではありません」という言葉です。
この一言で起きるのは、単なる業務の停滞ではありません。
会社として前に進む力が弱まり、場合によっては後退に転じます。
“役割”も重要だが
中小企業では、一人が複数の役割を持つのが前提です。
・営業が顧客対応も行う
・経理が総務も兼ねる
・マーケが採用にも関わる
・経営者が営業を行う
・開発担当がカスタマーサポートを行う
これは370社以上の経営コンサルをしてきた現実です。
特に50人以下の企業に多い傾向です。
人員が限られている以上、
どこかで業務を引き受けなければ、事業は進みません。
そのときに、
「これは自分の役割か」と考えて社員が動くのか
「これは会社に必要か」と考えて社員が動くのか
この違いが、そのまま会社の未来の差につながります。
成長する会社と停滞する会社の差異
同じ状況でも、結果は分かれます。
停滞する会社
→ 担当外の業務が放置される
→ 顧客対応の遅れ、機会損失が発生する
→ 信頼が下がる
成長する会社
→ 必要な業務を誰かが引き取る
→ 顧客対応・機会獲得が維持される
→ 次の打ち手に進める
ここで起きているのは「効率」の差ではありません。
事業が前に進むかどうかの差です。
多役を担える組織をつくるための3つのポイント
この状態を個人任せにすると、再現性がありません。
会社として成長させていくためには、次の3つのポイントが重要になります。
① 採用時の前提共有
・役割は固定ではない
・状況に応じて業務が広がる
この前提を曖昧にすると、入社後にズレが生まれます。
② 評価基準の設定
・担当業務の遂行だけでなく
・事業を前に進めた行動や他人・チームのために行った行動を評価する
ここを評価基準として明確にしない限り、行動は変わりません。
③ 人材のマインドセット
もう一つ重要なのが、どういう人材かという点です。
・素直である
・愚直に行動できる
この要素は軽視できません。
例えば、
・誰かのために働く
・会社のために働く
こうした視点を持てる人は、
・忙しい場面で自然と手を出す
・担当外の業務にも関わる
・周囲と助け合う
といった行動につながります。
結果として、
「自分の仕事ではないからやらない」ではなく、
「必要だからやる」という判断が自然にできる状態になります。
もちろん、
・労働条件
・役割
・ルールの整備
は前提として重要です。
ただ、それとは別に、
どの視点で仕事を捉えているかというマインドの差は、
組織の動き方に大きく影響します。
私は大企業のコンサルの経験もあります。
大企業は人数が多く、役割も明確です。
ただ中小企業は違います。
会社が成長していけば、いずれこのカオスのような状況はなくなります。
ただ人数に限りある時期においては、これが現実です。
理想は大事ですが、現実に対応しなければ、成長はありません。
それが中小企業です。
スタートアップも近い部分はあるでしょう。
経営のボトルネックはここにある
多くの中小企業で詰まるポイントは、次の3つです。
必要な業務が実行されていない
実行されているが整理されていない
自分の業務範疇外のことに積極的に関わらない
特に3つ目は見落とされがちですが、影響は小さくありません。
業務が実行されない直接の原因は①ですが、
その背景にあるのが③です。
・担当外だからやらない
・誰かがやるだろうと考える
・自分の業務だけで優先順位を決める
この状態が続くと、
必要な業務が誰にも引き取られず、結果として①が起きます。
また、②の「整理されていない状態」も、③と無関係ではありません。
本来であれば、
・この業務は誰が持つべきか
・今後も同じ形で回すべきか
を見直す必要がありますが、
自分の担当外に関心を持たない限り、整理は進みません。
つまり、
・業務が実行されない
・業務が整理されない
という現象の根底には、
業務を自分ごととして捉える範囲が狭いという構造があります。
この状態を放置すると、
・機会損失が積み重なる
・会社の雰囲気が悪くなる
・顧客対応の質が下がる
・結果として競争上の不利が広がる
単なる非効率ではなく、
事業の前進を阻害し、後退リスクを生む状態になります。
あなたの会社は大丈夫ですか?
自社の中を見渡したときに、
・「それは自分の仕事ではない」と線を引いてしまう人
・担当外の業務には関わろうとしない人
・目の前に必要な仕事があっても、自分ごととして捉えない人
こうした状態に、心当たりはないでしょうか。
これは一人の問題に見えて、実際には組織全体に影響します。
周囲も動きにくくなり、助け合いが生まれにくくなり、
結果として、必要な業務が回らなくなります。
そして気づかないうちに、
会社全体の前進が鈍り、成長が止まる状態になっていきます。
現実には、本当に良いものを持っていながら
残念な結果になってしまう企業も少なくありません。
輝ける力があるのに輝くことができない。
大変もったいないことです。
この課題は解決可能です
こうした問題は、「個人の意識の問題」で片付けられるものではありません。
・どのような人材を採用するのか
・どのような行動を評価するのか
・どのような役割の持ち方を前提にするのか
こうした経営の判断によって、大きく変わります。
実際に、
・採用設計
・行動評価基準
・役割とフェーズに応じた組織設計
これらを整えることで、
会社が明確に変わります。
当社では、このような課題解決も支援しています
当社では、中小企業の経営者に対して、
・どこで業務が滞っているのか
・なぜ人が動かないのか
・どのように組織を設計し直すべきか
といった点を整理し、
具体的な判断と打ち手の設計まで落とし込む支援を行っています。
ブランディング、採用、組織づくり、人材育成といったテーマも、
すべて「事業を前に進める」という観点から支援可能です。
もし今、
・人の問題なのか、構造の問題なのか分からない
・組織がどこで詰まっているのか見えない
・次に何を決めるべきか整理したい
そう感じている場合は、一度ご相談ください。
現状を整理し、御社が次に進むための判断軸を明確にしましょう。
コンサルティングがはじめての方
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コンサルの概念を変えます。

新井庸支(あらい やすし)
株式会社ホワイトナイト代表。
370社以上の中小企業支援実績、契約企業の90%以上の業績を向上させたという実績を背景に、「中小企業の課題であれば、どんなことでも必ず明確な答えを出す」という強い自信と信念と方法を持つ。
「この会社をなんとかする」という経営者と同じ熱量で事業を自分事化し、経営戦略、マーケティング、DX、AI活用、広報戦略を指し示すプロフェッショナル。公的機関や大学での教育活動も精力的に行う。
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