“口先コンサル”に失敗しないために。中小企業がコンサルを選ぶ前に整理
- 新井 庸支

- 18 時間前
- 読了時間: 4分
はじめに
最近、SNSで
「高額なコンサルに依頼したが成果が出なかった」
「結局、自分でやり直したらうまくいった」
といった声を目にすることが増えました。
こうした話を聞くたびに思うのは、
コンサルの善し悪し以前に、
“判断の整理”が置き去りにされているケースが多いということです。
私自身、これまで多くの中小企業経営者と向き合ってきましたが、
話を聞くと「施策が悪かった」というよりも、
そもそも戦略が言語化されていなかったり、
判断が曖昧なまま走り出してしまったことで、
結果的に「失敗した」と感じているケースを数多く見てきました。
1. なぜ「コンサルに失敗した」と感じるのか
いわゆる“コンサルに失敗した”という話を丁寧に聞いていくと、
いくつか共通点があります。
コンセプトや資料は立派
言葉も洗練されている
しかし、現場とズレている
そして何より多いのが、
「判断の前に、答えが来てしまっている」という状態です。
本来であれば、
どこに本当の課題があるのか
何を優先すべきなのか
今は何をやらないのか
こうした点を整理したうえで、
具体的な施策や打ち手を考えるべきです。
しかし現場では、
整理が不十分なまま
「このやり方が正解です」
「このコンセプトでいきましょう」
という“答え”が先に提示されてしまうことが少なくありません。
この状態で進むと、
途中で違和感が生まれても修正が難しくなり、
結果として「失敗した」という感情だけが残ってしまいます。
2. 「答えを出すコンサル」と「判断を整理するコンサル」の違い
ここで、少し視点を整理してみます。
答えを出すコンサル
成功事例や型を持っている
横展開が前提
スピード感はある
ただし、現場や経営者の状況とズレると機能しにくい
判断を整理するコンサル
まず状況を分解する
選択肢を並べる
優先順位をつける
「やらないこと」を決める
どちらが正しい、という話ではありません。
ただ、中小企業の経営現場では、
後者が十分に行われないまま、前者に進んでしまうケースが非常に多い。
その結果、
立派だけれど使われない戦略や、
現場で回らない施策が生まれてしまいます。
ここで誤解してほしくないのは、
「判断を整理する=答えを出さない」という意味ではないという点です。
3. 成果が出ない=失敗ではないケース
もう一つ、大切な視点があります。それは、成果がすぐに数字で出ないこと=失敗、とは限らないという点です。
たとえば、
無理な投資を事前に止められた
合わない施策を早い段階で捨てられた
社内での迷いが減り、判断が早くなった
次に打つべき一手が明確になった
これらは外からは見えにくいものの、
経営にとっては非常に大きな価値です。
ただし、
こうした価値が最初から言語化・共有されていないと、
後から振り返ったときに
「結局、何も変わらなかった」
という印象だけが残ってしまいます。
4. コンサルを選ぶ前に確認すべき3つの質問
これからコンサルを検討する際には、次の3つをぜひ確認してみてください。
最初に“答え”を出してこないか
→ 状況を十分に聞く前に結論を語り始めていないか
やらないことを一緒に決めてくれるか
→ 足す話ばかりで、削る話が出てくるか
判断の責任範囲が明確か
→ どこまでが整理で、どこからが決断・実行なのか
この3点が曖昧なままだと、
どんなに実績のあるコンサルでも、
ミスマッチが起きやすくなります。
5. 私が大切にしている関わり方
私が一貫して大切にしているのは、
スキルやノウハウを売る前に、戦略と判断を整理することです。
多くの現場では、
「何をやるか」以前に、
どこを目指すのか
何を優先するのか
今は何をやらないのか
といった戦略や判断が、
十分に言語化されないまま進んでしまっています。
私はまず、
経営者が一人で抱えがちな「迷い」を言葉と構造に分解し、
状況や選択肢を整理します。
そのうえで、
複数ある可能性の中から、
どの方向に進むのかを、
経営者と一緒に確定させるところまで関わります。
答えを最初から押し付けることはしません。
しかし、整理だけで終わることもしません。
派手な提案をすることは多くありませんが、
判断が曖昧なまま走り続ける状態は、放置しません。
戦略と判断を整理し、次に打つ一手を明確にする。
それが、私の基本的な関わり方です。
おわりに
コンサル選びで本当に大切なのは、
「すごそうな答えを持っているか」ではなく、
自分の判断を前に進めてくれるかどうかだと考えています。
もし今、
何を優先すべきかわからない
立ち止まるべきか、進むべきか迷っている
答えではなく、まず整理をしてほしい
そう感じているのであれば、
一度、状況を棚卸しするところから始めてみてください。

株式会社ホワイトナイト
代表取締役 新井 庸支
経営者の迷いを構造に変え、判断を前に進める専門家。

コメント