中小企業の業務改善は、課題の洗い出しから始めると遠回りになることがある
- 新井 庸支

- 10 分前
- 読了時間: 8分
中小企業特化の経営・マーケティングコンサルタントの新井です。
今日は、中小企業の業務改善について書きます。
業務改善というと、多くの場合、まず課題の洗い出しから始めます。
何がうまくいっていないのか
どこにムダがあるのか
どの業務に時間がかかっているのか
どこでミスが起きているのか
誰に負担が集中しているのか
もちろん、これは大事です。
現状を見ないまま改善はできません。
ただ、実際に中小企業の現場を見ていると、
課題の洗い出しから始めることで、かえって話が複雑になることがあります。
なぜなら、課題は出そうと思えばいくらでも出てくるからです。
人が足りない。
時間が足りない。
仕組みがない。
マニュアルがない。
属人化している。
情報共有ができていない。
確認作業が多い。
営業と現場の連携が悪い。
デジタル化が進んでいない。
こうした課題を並べていくと、一見、改善すべきことが見えてきたように感じます。
しかし実際には、「結局、何から手をつけるべきか分からない」という状態になることがあります。
業務改善で大事なのは、As-Isだけではない
業務改善では、「As-Is」「To-Be」という考え方があります。
As-Isとは、現状です。 今、どうなっているのか。どんな業務フローなのか。どこで止まっているのか。何が問題になっているのか。これを把握することです。
To-Beとは、目指す姿です。 本来、どうありたいのか。どんな状態にしたいのか。どこまで効率化したいのか。どの業務を残し、どの業務を減らしたいのか。会社として何を重視したいのか。この「ありたい姿」を考えることです。
多くの業務改善では、まずAs-Isを見ます。
現状を整理し、課題を出し、解決策を考える。
もちろん、この進め方も間違いではありません。
ただ、中小企業の場合は、
To-Beを考えてからAs-Isを見る方が、
改善の優先順位がつけやすいことがあります。
To-Beがないと、課題が全部重要に見えてしまう
業務改善で難しいのは、課題が多すぎることです。
中小企業では、一つの課題だけが独立していることはあまりありません。
業務フローの問題。
人材の問題。
営業の問題。
管理の問題。
システムの問題。
社内コミュニケーションの問題。
これらが絡み合っています。
そのため、現状だけを見ると、どれも改善した方が良いように見えます。
しかし、すべてを一度に改善することはできません。
時間も限られています。
人も限られています。
予算も限られています。
経営者の判断にも限界があります。
だからこそ、まず必要なのは、
「自社はどうありたいのか」を明確にすることです。
たとえば、
社長が現場対応から離れられる会社にしたい
営業活動にもっと時間を使える体制にしたい
社員が自分で判断できる状態にしたい
受注後のミスを減らしたい
人が増えても回る仕組みにしたい
デジタルツールを使って確認作業を減らしたい
顧客対応の品質を安定させたい
このように、目指す姿が見えてくると、
目の前の課題の見え方が変わります。
目指す姿があると、「やらないこと」も決めやすくなる
業務改善では、何をやるかも大事です。
しかし同じくらい大事なのが、「何をやらないか」です。
課題を洗い出すと、あれもこれも改善したくなります。
ただ、すべてに手を出すと、結局どれも中途半端になります。
To-Beがあると、判断がしやすくなります。
たとえば、目指す姿が「社長が現場対応から離れ、営業や新規事業に時間を使える会社」であれば、優先すべきは社長に集中している業務の整理です。
一方で、企業の規模や状況にもよりますが、すぐに売上や経営判断に影響しないような細かな実務作業、あるいはマニュアルの文言修正といった作業は、後回しにするか外部に任せるなどして、経営者の限られた時間を守る決断も必要になります。
また、目指す姿が「受注後のミスを減らし、顧客対応の品質を安定させる会社」であれば、優先すべきは受注後の確認フローや情報共有の仕組みです。
このように、To-Beがあると、課題の優先順位がつけやすくなります。
業務改善は、課題を全部潰すことではありません。
会社が目指す姿に近づくために、今どこを変えるべきかを決めることです。
中小企業の業務改善は、経営判断とつながっている
業務改善というと、現場の効率化の話に見えるかもしれません。
もちろん、効率化は大事です。
ただ、中小企業の場合、業務改善は経営判断そのものとつながっています。
なぜなら、業務のやり方を変えることは、会社の動き方を変えることだからです。
誰が判断するのか。
どこまで社員に任せるのか。
どの業務を標準化するのか。
どこにデジタルを入れるのか。
どこを外部に任せるのか。
社長がどの仕事から離れるのか。
これらは、単なる業務効率化ではありません。
会社をどう動かしていくかという経営の話です。
だからこそ、業務改善をするときは、現場の課題だけを見るのではなく、「会社としてどうありたいのか」を先に考える必要があります。
一人で整理しようとすると、現状に引っ張られる
中小企業の経営者は、自社のことを誰よりもよく分かっています。
一方で、よく分かっているからこそ、現状に引っ張られてしまうこともあります。
「これは昔からこうだから」
「この人にしかできないから」
「今は忙しいから変えられない」
「社員に任せるのは不安だから」
「システムを入れても使いこなせないかもしれない」
こうした考えは、現実的です。ただ、そのままでは変わらないこともあります。
外部の視点が入ることで、今の業務を少し違う角度から見ることができます。
これは、上から目線で正論を押し付けるということではありません。
現場の実務の大変さや現実を知っているからこそ、
「本当にその確認作業は必要なのか」「その会議は意味があるのか」という、
本質的な問いを立てることができます。
本当に社長がやるべき仕事なのか。
その確認作業は必要なのか。
その会議は意味があるのか。
社員に任せるために何が足りないのか。
デジタル化する前に、業務フローを整理すべきではないか。
こうした問いが入ることで、業務改善は単なる作業の見直しではなく、経営を前に進めるための整理になります。
ホワイトナイトができること
ホワイトナイトでは、中小企業に特化して、経営・マーケティング支援を行っています。 業務改善についても、単に課題を洗い出すだけではなく、まず会社としてどうありたいのかを確認し、その上で現状とのギャップを整理していきます。
これまで18年以上にわたり、400社以上の企業支援に関わってきました。
中小企業では、業務改善、マーケティング、営業、組織、人材、デジタル活用が別々に存在しているわけではありません。
業務が整わないから営業が弱くなる。
営業が属人化しているから売上が安定しない。
情報共有ができないから顧客対応に差が出る。
社長に業務が集中しているから新規事業に時間を使えない。
このように、課題はつながっています。
だからこそ、業務改善も経営全体の視点から見る必要があります。
一人で整理するのが難しい。
自社の目指す姿を一緒に考えたい。
現状の課題が多すぎて、何から手をつけるべきか分からない。
業務改善を経営や売上につながる形で進めたい。
そのような場合は、ぜひご相談ください。
まずは頭の中を真っさらにする「思考整理の壁打ちセッション」からお気軽にご活用ください。経営全体の視点から、今本当に取り組むべき優先順位を一緒に指し示します。
最後に
業務改善は、課題の洗い出しから始めることも大切です。
ただ、それだけでは遠回りになることがあります。
課題は、出そうと思えばいくらでも出てきます。
大事なのは、「自社がどうありたいのか」を先に考えることです。
To-Beがあるから、As-Isの見方が変わります。
目指す姿があるから、課題の優先順位が決まります。
中小企業の業務改善は、単なる効率化ではありません。
会社をどう動かすか。
社長が何に時間を使うか。
社員がどう判断できる状態を作るか。
売上や成長につながる体制をどう作るか。
そこまで含めた経営判断です。
もし今、業務改善を考えているのであれば、いきなり課題を並べる前に、まず、「自社はどうありたいのか」を考えてみてください。
そこから見える課題こそ、本当に取り組むべき課題かもしれません。
中小企業の経営についてのご相談
ー全国の経営者から相談増加中ー
↓1回で成果が得られるスポットコンサル
申し込みはこちらをクリック↓
経営者のあらゆる相談にこたえる

新井 庸支(あらい やすし)
株式会社ホワイトナイト代表。
中小企業専門 経営・マーケティングコンサルタント
約400社の中小企業支援実績、契約企業の90%以上の業績を向上させたという実績を背景に、「中小企業の課題であれば、どんなことでも成果繋がる明確な答えを出す」という強い自信と信念とスキル・ノウハウを持つ。
「会社のことを常に考えている」中小企業経営者のあらゆる思いを理解しながら、熱量は高く、コンサルとしては冷静に、中小企業の成長を達成するプロとしてのスキル・ノウハウを丁寧に提供している。
経営戦略、マーケティング、DX、AI活用、広報戦略まで、中小企業のあらゆる課題を解決に導くプロフェッショナル。
民間コンサルや顧問だけでなく、公益財団法人東京都中小企業振興公社や独立行政法人中小企業基盤整備機構のアドバイザーもつとめている。また、事業承継アドバイザーやウェブコンサルタント系の資格など数多くの資格も保有している。
商工会議所、企業や大学などでのセミナー・講演も多数実施している。

コメント