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判断が止まるのは、経営者の責任感の大きさの表れである(中小企業経営者の判断の瞬間シリーズ④)

更新日:6 日前

経営者の判断が止まる瞬間があります。

それは、迷っているからでも、

能力が足りないからでもありません。


多くの場合、

会社のこと、社員のことを真剣に考えているからこそ

判断が止まります。


  1. 決めた先に、

・誰の生活がどう変わるのか

・現場にどんな負担が出るのか

・もし外したら、その責任を誰が引き受けるのか


そうしたことが一気に頭に浮かぶ。

だから、簡単には決められない。

これは、経営者としての責任感の大きさの表れであり、

決して否定されるべきものではありません。


「相談していいのか分からない」と感じた時


判断の瞬間④は、

「相談するほどではないが、放っておくのも違う」

そんな感覚が生まれた時です。


最近、こんな相談がありました。

「やるべき方向性は、正直もう分かっている気がするんです。でも、決め切れなくて……」

詳しく話を聞くと、

事業の立て直しに向けた方向性は、

すでに頭の中にある。

数字も見ている。

選択肢も検討している。

ただ、その先に社員の顔が浮かぶ。


長く一緒にやってきた人のことが引っかかる。

「これを決めたら、あの人に負担がかかるなと思ってしまって、どうしても手が止まるんです」

この状態は、

判断できていないようでいて、

実はかなり深く考えている状態です。


判断が止まるのは、逃げているからではない


別の経営者は、こう言っていました。

「まだ最悪ではない。だから今すぐ決めなくてもいいのでは、とも思ってしまうんです」

一見すると、

先送りや逃げに見えるかもしれません。


しかし話を重ねると、

その背景には必ず、


  • これ以上、現場を混乱させたくない

  • 不安を不用意に広げたくない

  • できるだけ穏便に進めたい


という、

強い配慮と責任感があります。


判断が止まる理由は、

覚悟が足りないからではありません。

覚悟があるからこそ、

軽々しく決められないのです。


ただし、止まったままでは状況は変わらない


問題は、この状態が長く続くことです。


判断が止まると、


  • 会議が増える

  • 情報だけが積み上がる

  • 「もう少し様子を見よう」が繰り返される


そして現場は、

「結局、何を優先すればいいのか分からない」

状態になります。


ある経営者は、こう振り返っていました。

「決めていないつもりはなかったんです。でも気づいたら、半年近く、同じ話をしていました」

判断しないことも、実は一つの判断です。

しかし、その影響は、じわじわと広がっていきます。


経営者は、苦しくても判断しなければならない


経営者の仕事は、

楽な選択をすることではありません。


誰も傷つかない判断も、

全員が納得する結論も、

ほとんど存在しない。


それでも、

どこかで決めなければならない。


ただし、

それは気合や根性で押し切ることではありません。


多くの場合、必要なのは、


  • 何を今決めるのか

  • 何は今、決めなくていいのか

  • 自分が引き受ける覚悟の範囲はどこか


これらを一度、

判断できる形に整理することです。


判断が止まる時間と向き合っていること自体、

それは経営者として、とても真っ当な姿です。


だからこそ、

その時間を「停滞」で終わらせず、

次の一手につながる時間に変えていく。


責任感がある経営者ほど、

一人で抱え込みがちですが、

判断を前に進めるための整理は、

必ずしも一人でやる必要はありません。


止まっている自分を責める必要はない。

ただ、そのまま止め続けない。

それが、経営者という役割に課された、

避けては通れない仕事だと

これまで300人近い経営者へご支援してきて

感じることでもあります。


「相談していいのか分からない」と感じた時点で、

それはすでに、

立ち止まって整理する合図かもしれません。



判断に迷う場面は、

一人で考え続けるほど、

かえって複雑になります。


もし、

理由は揃っているのに決められない、

そんな状態が続いているなら、

一度、

判断そのものを整理する時間を

持ってもいいかもしれません。


▶︎ 初回の整理セッション


※この記事は、

中小企業の経営判断を支援する

株式会社ホワイトナイト 代表・新井 庸支が、

実際の相談現場で感じた「判断の瞬間」をもとに執筆しています。



新井 庸支

株式会社ホワイトナイト 代表取締役

中小企業の経営判断を支援するコンサルタント。


戦略立案や施策提案そのものよりも、

経営者の判断が止まっている論点を整理し、

「何を決める話なのか」を

明確にする支援を行っている。


これまで、

地域企業・中小企業を中心に

経営・マーケティング・新規事業・組織づくりなど、

多様な相談に伴走。


答えを押し付けるのではなく、

経営者自身が納得して

決断できる状態をつくることを重視し、

「迷いを構造に変える」関わり方を続けている。


現在は、

判断が止まっている状態を言葉にするための、

初回の整理セッション(オンライン/60分)を中心に関わっている。


▶︎ プロフィール詳細https://www.whiteknight-jp.com/ceoprofile

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