経営者の方へ 相談できる相手はいますかー(連載「中小企業経営者の判断の瞬間」⑤ )
- 新井 庸支

- 1月16日
- 読了時間: 4分
更新日:5 日前
経営者の判断が止まる瞬間は、
必ずしも「課題が大きくなった時」ではありません。
むしろ多いのは、
誰かに話せば整理できそうなのに、
話せる相手が思い浮かばない時です。
社内には人がいる。
優秀な幹部もいる。
それでも、口に出せないことがある。
相談相手が「いない」のではなく、「出せない」
多くの経営者は、こう考えています。
こんなことを相談したら、弱く見られないだろうか
まだ形になっていない話を出すのは無責任ではないか
社内に余計な不安を広げたくない
だから、
相談できないのではなく、
相談を飲み込んでしまう。
これは、
判断を放棄している状態ではありません。
経営者としての自制であり、
配慮であり、
責任感です。
経営者には「社内では相談しづらい判断」もある
経営者の相談は、
必ずしも社内にできるものばかりではありません。
たとえば、
組織の構造そのものを見直す話
人に関わる判断
自分自身の判断軸が揺らいでいる話
こうしたテーマは、
社内に出した瞬間、
立場や感情が絡み始めます。
すると、
「相談したつもりが、説明になってしまう」
「意見を求めたはずが、調整になってしまう」
結果として、
肝心の判断が、なかなかうまくできない。
「こんなこと、相談していいのだろうか」
ある経営者が、
こんなことを言われたことがありました。
「正直、何が正解か分からない、という状態を見せるのが怖いんです」
別の経営者で、こう言われた方もいました。
「まだ決断する段階ではない気がしていて。でも、このまま一人で考え続けるのも違う気がする」
判断が止まる本当の原因は、
問題が大きいからではありません。
「この状態を、誰にどう出せばいいのか分からない」
そこに、立ち止まりの正体があります。
経営者にとって一番危険なのは、「誰にも出せない状態」
経営者は、
最終的に決断しなければならない立場です。
しかし、
一人で決めることと、一人で抱え込むことは違う。
相談できる相手がいない状態が続くと、
判断の前提が固まらない
同じ思考を何度も往復する
決めない理由だけが増えていく
やがて、
「決められない自分」を責め始めてしまう。
これは、
とても消耗します。
そして、よくあることでもあります。
だからこそ、相談相手が誰かが重要
この状態は、
「決めるべきかどうか」で
悩む時ではありません。
「この状態を、誰かに聞くべきかどうか」
で迷っている時です。
この段階で必要なのは、
正解をもらうことではありません。
経営者の頭の中では、
すでに考えていることはあるのです。
頭の中にあるものを、そのまま出せる
判断する前の状態を、否定されずに安心して話せる
決めなくていいことと、決めるべきことを切り分けられる
そうした時間があるかどうかで、
その後の判断の質は大きく変わります。
経営者が弱いから、判断が止まるのではない
判断が止まるのは、
経営者として真剣だからです。
会社の未来を、
社員の人生を、
とても大事に考えているからです。
だからこそ、
その状態を「弱さ」として押し殺すのではなく、
判断に向かうための前段階としてとらえる。
それができるかどうかが、
経営者の判断にとって重要な分かれ目です。
判断に迷う場面は、
一人で考え続けるほど、
かえって複雑になります。
もし、
理由は揃っているのに決められない、
そんな状態が続いているなら、
一度、
判断そのものを整理する時間を
持ってもいいかもしれません。
▶︎ 初回の整理セッション(はじめての方)
※この記事は、
中小企業の経営判断を支援する
株式会社ホワイトナイト 代表・新井 庸支が、
実際の相談現場で感じた「判断の瞬間」をもとに執筆しています。

新井 庸支
株式会社ホワイトナイト 代表取締役
中小企業の経営判断を支援するコンサルタント。
戦略立案や施策提案そのものよりも、
経営者の判断が止まっている論点を整理し、
「何を決める話なのか」を
明確にする支援を行っている。
これまで、
地域企業・中小企業を中心に
経営・マーケティング・新規事業・組織づくりなど、
多様な相談に伴走。
答えを押し付けるのではなく、
経営者自身が納得して
決断できる状態をつくることを重視し、
「迷いを構造に変える」関わり方を続けている。
現在は、
判断が止まっている状態を言葉にするための、
初回の整理セッション(オンライン/60分)を中心に関わっている。
▶︎ プロフィール詳細https://www.whiteknight-jp.com/ceoprofile

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