決めたはずなのに、また迷い始めた時(連載「中小企業経営者の判断の瞬間」⑥)
- 新井 庸支

- 4 日前
- 読了時間: 4分
一度決めた判断。時間とともに迷いが
一度は決めたはずなのに、
数日後、あるいは数週間後に、
また迷い始めてしまう。
経営者であれば、
誰しも一度は経験がある感覚ではないでしょうか。
「自分はブレているのではないか」
「決断力が足りないのではないか」
そんなふうに、自分を責めてしまう方も少なくありません。
ですが、この迷いは、判断力の問題であることはほとんどありません。
結論が間違っているとは限らない
決めたあとに迷いが出ると、
多くの人はまず「結論」を疑います。
しかし実際には、
結論そのものが間違っているケースは、
それほど多くありません。
多くの場合、
結論ではなく、
その判断を支えていた前提が動いている。
ここを切り分けずに考え続けると、
判断はいつまでも落ち着きません。
「また迷う」の正体
判断をした当時と比べて、
環境が少し変わった
人の状況が動いた
想定していなかった情報が入ってきた
こうした変化があると、
同じ結論でも、
感じ方が変わるのは自然なことです。
それにもかかわらず、
「一度決めたのだから」
「迷うのは良くない」
そう思って無理に押し切ろうとすると、
かえって判断は重くなります。
私なら、こう整理します
私は、
「決めたはずなのに、また迷い始めた」
という相談を受けたとき、
すぐに結論の是非は見ません。
まず確認するのは、
その判断をしたときの前提が、
今も本当に同じかどうかです。
例えば、
次の点を一つずつ見ていきます。
当初決めた目的から、いつの間にかずれていないか
想定していた数字は変わっていないか
関係者の状況は動いていないか
「この条件ならやる」と決めた条件は守られているか
ここで重要なのは、
正解を出すことではありません。
前提がどこで、
どの程度ずれているのかを整理すること。
それだけで、
迷いの正体はかなりはっきりします。
迷いは「ブレ」ではない
もし前提が変わっているのであれば、
迷いが出るのは当然です。
それは、
意志が弱いからでも、
判断力が足りないからでもありません。
判断を更新しようとしている状態
とも言えます。
逆に言えば、
前提が変わっているのに迷いが出ない方が、
よほど危うい。
見直すべきは、結論ではなく前提
迷ったときにやるべきことは、
もう一度、結論を出し直すことではありません。
何を目的としていたのか
どんな条件のもとで決めたのか
何が変わり、何が変わっていないのか
これらを、
判断できる形に整理し直すことです。
前提が整理されれば、
結論は自然と落ち着く場所に戻ってきます。
判断が揺れること自体は、
悪いことではありません。
問題なのは、その揺れを放置したまま、
判断を止め続けてしまうことです。
結論ではなく前提を見る。
それだけで、見える景色は大きく変わります。
判断に迷う場面は、
一人で考え続けるほど、
かえって複雑になります。
もし、
理由は揃っているのに決められない、
そんな状態が続いているなら、
一度、
判断そのものを整理する時間を
持ってもいいかもしれません。
▶︎ 初回の整理セッション(はじめての方)
※この記事は、
中小企業の経営判断を支援する
株式会社ホワイトナイト 代表・新井 庸支が、
実際の相談現場で感じた「判断の瞬間」をもとに執筆しています。

新井 庸支
株式会社ホワイトナイト 代表取締役
中小企業の経営判断を支援するコンサルタント。
戦略立案や施策提案そのものよりも、
経営者の判断が止まっている論点を整理し、
「何を決める話なのか」を
明確にする支援を行っている。
これまで、
地域企業・中小企業を中心に
経営・マーケティング・新規事業・組織づくりなど、
多様な相談に伴走。
答えを押し付けるのではなく、
経営者自身が納得して
決断できる状態をつくることを重視し、
「迷いを構造に変える」関わり方を続けている。
現在は、
判断が止まっている状態を言葉にするための、
初回の整理セッション(オンライン/60分)を中心に関わっている。
▶︎ プロフィール詳細https://www.whiteknight-jp.com/ceoprofile

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