否定的なことを言ってくれる人を遠ざけてしまう経営者の未来
- 新井 庸支

- 7月1日
- 読了時間: 8分
中小企業経営・マーケティングコンサルタントの新井です。
今日は、少し厳しいテーマで書きます。
否定的なことを言ってくれる人を遠ざけてしまう経営者の未来
という話です。
人間は誰しも、嫌なことを言われるのは好きではありません。
経営者でも同じです。
自分が本気で取り組んでいること。自信を持って進めていること。時間もお金も労力もかけてきたこと。
それに対して、
「それは違うと思います」「このままだと危ないです」「一度立ち止まった方がいいです」「お客様からは、そう見えていないかもしれません」
と言われる。
気持ちの良いものではありません。
特に、自分で会社を立ち上げてきた経営者ほど、その思いは強くなりやすいと思います。
自分の力で道を切り開いてきた。苦しい時期も乗り越えてきた。誰よりも会社のことを考えてきた。
だからこそ、自分の考えや進め方に対して否定的なことを言われると、強い抵抗感が出ることがあります。
しかし、あえて言います。
この状態は、とても危険です。
うまくいかなくなる会社には共通点がある
私はこれまで、1,000人以上の経営者とお話ししてきました。
その中で、400社以上の企業とは、コンサルタントとして深く関わってきました。
もちろん、会社がうまくいく理由、うまくいかない理由は一つではありません。
業界環境もあります。商品力もあります。営業力もあります。人材の問題もあります。資金の問題もあります。タイミングの問題もあります。
ただ、多くの経営者と関わる中で、うまくいかなくなる会社には、ある共通点があると感じています。
それは、
経営者が否定的な意見に耳を貸さなくなること
です。
もちろん、否定的な意見をすべて受け入れる必要はありません。
経営者には経営者の考えがあります。
最後に決めるのは経営者です。
外部の人間が言うことが、必ず正しいわけでもありません。
社員の意見が、すべて正しいわけでもありません。
取引先の意見が、すべて正しいわけでもありません。
問題は、受け入れるかどうかではありません。
そもそも聞かなくなることです。
ここが危ないのです。
否定的な意見を遠ざけると、会社は少しずつ弱くなる
経営者が否定的な意見を聞かなくなる。
そして、否定的な意見を言う人を遠ざけるようになる。
すると、不思議なことに、会社は少しずつ弱くなっていきます。
最初は分かりません。
経営者の周りには、耳ざわりのよい言葉が増えます。
「いいですね」「さすがです」「社長の言う通りです」「その方向で進めましょう」
こういう言葉は、気持ちがいいものです。
しかし、気持ちのいい言葉ばかりが集まると、会社の現実が見えにくくなります。
お客様が離れている。社員が不満を持っている。商品やサービスが時代に合わなくなっている。営業のやり方が古くなっている。競合に負け始めている。採用で選ばれなくなっている。
こうした変化に気づくのが遅れます。
経営者の耳に、悪い情報が入ってこなくなるからです。
会社が本当に危なくなる前には、必ず小さな違和感があります。
しかし、その違和感を伝えてくれる人を遠ざけてしまうと、手を打つタイミングを失います。
痛いことを言う側にも、覚悟がいる
ここで経営者にぜひ考えていただきたいことがあります。
それは、痛いことを言う側にも、かなりの力がいるということです。
経営者に対して、否定的な意見を言うのは簡単ではありません。
特に、相手が本気で取り組んでいることに対して、
「違うと思います」「このままでは危ないです」「お客様には伝わっていません」「社員はついてきていないかもしれません」
と言うのは、勇気が必要です。
嫌われるかもしれません。
機嫌を損ねるかもしれません。
関係が悪くなるかもしれません。
仕事を失うかもしれません。
それでも言う人がいる。
それは、多くの場合、その経営者や会社のことを考えているからです。
もちろん、ただの批判や感情的な文句は別です。
無責任な否定に耳を傾ける必要はありません。
しかし、会社を前に進めるために、あえて痛いことを言ってくれる人は大切にすべきです。
その思いを汲まずに、
「自分が否定された」「気分が悪い」「分かっていない」
と遠ざけてしまうのは、経営者として非常にもったいないことです。
厳しく言えば、経営者としての器が問われる場面でもあります。
天才以外は、人の話を聞いた方がいい
もちろん、世の中には本当に一握りの天才がいます。
自分の感覚だけで大きな事業を作る人。周囲が反対しても、未来を見抜いて突き進む人。
スティーブ・ジョブズのような経営者を思い浮かべる方もいるかもしれません。
ただ、ここで勘違いしてはいけません。
ほとんどの経営者は、そこまでの天才ではありません。
私自身、これまで1,000人以上の経営者とお話ししてきました。
誰もが知っているような有名経営者とお会いする機会もありました。
その中で「この人は天才だ」と感じた経営者は、ほんの数人です。
むしろ、多くの優れた経営者に共通しているのは、人の話をよく聞くことです。
自分の考えは持っている。信念もある。決める力もある。
それでも、人の意見を聞く。
社員の声を聞く。お客様の反応を見る。外部の意見を取り入れる。否定的な意見にも、一度耳を傾ける。
そのうえで、自分で決めています。
強い経営者ほど、人の話を聞かないのではありません。
むしろ、本当に強い経営者ほど、耳の痛い話から逃げません。
否定的な意見は、経営者を否定しているわけではない
経営者が間違えやすいのは、否定的な意見を「自分自身への否定」と受け取ってしまうことです。
しかし、多くの場合、そうではありません。
事業の進め方に対する意見です。商品やサービスへの意見です。営業方法への意見です。組織運営への意見です。発信内容への意見です。
経営者の人格を否定しているわけではありません。
「この方向性は危ない」「このままだと伝わらない」「今のやり方では社員が疲弊する」「お客様に選ばれる理由が弱い」
こうした意見は、会社を良くするための材料です。
それを自分への攻撃として受け止めてしまうと、大事な情報を逃します。
経営者に必要なのは、すべてを受け入れることではありません。
一度受け止めて、必要なものを見極めることです。
痛い意見の中に、会社を変えるヒントがあることは少なくありません。
周りに「言いやすい人」だけを置くと危ない
経営者は気をつけてください。
自分を肯定してくれる人。話を合わせてくれる人。反対しない人。空気を読んでくれる人。
そういう人は、一緒にいて楽です。
しかし、それだけでは会社は強くなりません。
むしろ、経営者が年齢を重ねたり、会社がある程度成長したりすると、周りはますます本音を言いにくくなります。
社員は社長に気を使います。
取引先は関係を壊したくありません。
長く付き合いのある人ほど、今さら厳しいことを言えなくなることもあります。
その結果、経営者の周りから本音が消えていきます。
これは危険です。
経営者が聞きたいことだけを聞いていると、会社は現実から少しずつズレていきます。
だからこそ、痛いことを言ってくれる人は大切なのです。
外部に率直に話せる相手を持つ意味
経営者は9割がきついことで、1割嬉しさがあれば良い方だと私は思います。
自分で自分の心を保っている一面もあります。
だからこそ、否定されたくないという気持ちもわかります。
そして悩みがあっても言える人がいないということも往々にしてあります。
社内の人間では言いづらいことがあります。
取引先では言えないことがあります。
家族では踏み込めないことがあります。
とはいえ、経営者には100%安全地帯で率直に話せる相手がいた方が良いのです。
耳ざわりのよい話だけではなく、会社を前に進めるために必要なことを伝えてくれる相手。
自社の状況を継続的に見ながら、売上、組織、新規事業、マーケティング、人材などについて相談できる相手。
そうした存在を持てるかどうかは、中小企業にとって大きいと思います。
ホワイトナイトでは、中小企業経営者向けに、継続的に相談できる顧問サービスを行っています。
これまで1,000人以上の経営者と話をし、400社以上の中小企業支援に深く関わってきた経験をもとに、経営の表面だけではなく、売上、組織、人材、マーケティング、新規事業、事業承継など、経営の隅々まで踏まえたアドバイスを行っています。そして何より経営者の話をしっかり聞かせていただいています。大事なことは経営者のことを100%考えて話を聞き、アドバイスもするということです。安心して頼って欲しいと思います。
手前味噌にはなりますが、経営者のパフォーマンスを常に高く保っておくために、とても効果があるサービスです。
最後に
否定的なことを言ってくれる人を遠ざけてしまう経営者の未来は、決して明るくありません。もちろん、すべての否定的な意見を受け入れる必要はありません。最後に決めるのは経営者です。
しかし、聞かない姿勢は危険です。
否定的な意見を言う人を遠ざけ、耳ざわりのよい言葉だけを集めるようになると、会社は少しずつ弱くなります。
会社を本当に良くしたいからこそ、あえて厳しいことを言ってくれる人がいます。
その存在を大切にできるかどうか。
そこに、経営者の器が出ると思います。
もし今、何かしら不安や思い当たることがあるのであれば、ホワイトナイトの顧問サービスをご検討ください。
経営者のあらゆる不安を取り除き
最高の状態で経営を進めるパートナー

コンサルタント 新井 庸支

コメント