AIが答えを出せる時代に、経営者があえてコンサルタントに相談する理由
中小企業 コンサルタントの新井です。
最近、私自身もAIを仕事で活用する機会が増えています。
経営課題を整理する。
市場や競合について調べる。
マーケティング戦略を考える。
新商品の販売方法を検討する。
以前であれば、こうした仕事には専門家の知識や経験が必要でした。しかし今では、AIに相談することで、相当なレベルの回答が得られるようになっています。もちろん、AIの回答が常に正しいわけではありません。情報の正確性や、自社の状況に合っているかどうかは確認する必要があります。それでも、経営者が何かに悩んだ時、まずAIに相談するという選択肢は十分に現実的です。
では、経営者はこれからもコンサルタントにお金を払う必要があるのでしょうか。
私自身、コンサルタントという仕事をしているからこそ、考えなければならないテーマだと思っています。
AIに聞けば済むことに、コンサルタントは必要ない
例えば、売上が伸び悩んでいる企業があるとします。
AIに「売上を伸ばすためには何をすればよいか」と質問すれば、顧客分析、競合との差別化、価格戦略、販路開拓、広告の改善など、さまざまな提案が出てきます。
新規事業について相談すれば、市場調査の進め方から事業計画、販売戦略まで考えてくれます。
しかも、AIは深夜でも休日でも相談に乗ってくれます。何度質問しても嫌な顔をしません。
これだけ便利なものがある以上、一般的なマーケティングの知識や、どの企業にも当てはまるようなアドバイスを提供するだけのコンサルタントは、今後ますます厳しくなるでしょう。
私も、単に情報を教えてもらうためだけなら、わざわざコンサルタントに依頼する必要はないと思います。
ただ、実際の企業経営には、AIから答えをもらうだけでは解決しない問題があります。
1. 社長が相談している問題と、本当の問題は違うことがある
例えば、社長から「広告を出しているのに売上が伸びない」という相談を受けたとします。
AIに聞けば、広告のターゲットやクリエイティブ、広告予算、ランディングページの改善など、さまざまな方法を提案してくれるでしょう。
ところが、実際に会社の状況を詳しく聞いてみると、問題は広告ではないかもしれません。
営業担当者が商品の特徴は説明できても、顧客にとってのメリットを伝えられていない。長年付き合いのある取引先からの注文に頼り、新しい顧客のニーズを把握していない。あるいは、そもそも誰に売りたい商品なのか、社内で認識が一致していない。
こうした問題があるなら、広告を改善する前にやるべきことがあります。
もちろん、AIも適切な情報を与え、質問を重ねれば、こうした可能性を指摘できます。
しかし、経営者自身が問題だと認識していないことは、AIへの相談内容にも出てこない場合があります。
コンサルタントが実際に経営者や社員の話を聞き、商品やサービス、営業活動などを確認する意味は、ここにあります。
社長が聞きたいことに答えるだけでなく、
社長がまだ気づいていない問題を見つける。
私は、これがコンサルタントの重要な役割の一つだと考えています。
2. 正しい戦略が、実行できる戦略とは限らない
AIが提案する戦略は、理論的には正しいかもしれません。
しかし、中小企業には、それぞれ事情があります。
新しい販路を開拓した方がよいとわかっていても、営業担当者が足りない。SNSを強化した方がよいと考えても、日々の業務で手一杯。商品を改良したくても、製造設備や仕入れの制約がある。
こうした事情を無視して立派な戦略を作っても、実行できなければ意味がありません。
例えば、マーケティングを強化するために、新しい担当部署を作るという提案があったとします。
大企業なら実現できるかもしれません。しかし、社員が10人の企業にとっては、現実的ではない場合があります。
それなら、今いる社員の業務を見直して、週に数時間だけマーケティングの仕事に充てる。あるいは、すべてを社内で行おうとせず、一部だけ外部に任せる。
そうした現実的な方法を考える必要があります。
私は、コンサルタントには経営戦略やマーケティングの知識だけでなく、実際の仕事がどのように進んでいるのかを理解していることが必要だと思っています。
理論的に正しいことと、現場で実現できることは違います。
提案書として優れていることより、
明日から会社が動き出せるものかどうかの方が大切です。
3. 経営者が必要としているのは、答えだけではない
経営者には、答えがわかっていても決断できないことがあります。
新商品を発売するべきか。
長年続けてきた事業を縮小するべきか。
広告予算を増やすべきか。
新しい取引先との契約を進めるべきか。
AIに相談すれば、それぞれのメリットとリスクを整理してくれます。
それでも、最終的に決断するのは経営者自身です。
特に中小企業では、一つの判断が会社の業績や社員の生活に大きな影響を与えることがあります。しかも、相談したい内容をすべて社員に話せるとは限りません。取引先や金融機関にも話しにくい問題があるでしょう。
そんな時、会社の事情を理解している第三者と話すことで、考えが整理され、決断につながることがあります。その選択肢としてコンサルタントというものがあります。
もちろん、コンサルタントが経営者の代わりに経営責任を負えるわけではありません。
しかし、経営者の考えに対して、時には違う意見を伝える。判断に必要な情報を集める。決めたことを実行に移すために、具体的な方法を一緒に考える。必要に応じて、関係者との調整や実務の支援まで行う。
そこまで関わることができれば、中小企業がコンサルタントに依頼する意味は大企業と同じかそれ以上にあります。
コンサルタント自身も変わらなければならない
ここまで書いてきましたが、すべてのコンサルタントに、こうした役割が果たせるわけではありません。
知識が豊富でも、現場の仕事を理解していなければ、実行できない提案になってしまうことがあります。また、経営者の言うことを何でも肯定するだけでは、外部の専門家に相談する意味がありません。
私は、経営者の考えに対して、必要だと思えば異なる意見を伝えることも、コンサルタントの重要な仕事だと考えています。そして、もう一つ重要なのは、提案して終わりにしないことです。
例えば、マーケティング戦略を見直すのであれば、誰を顧客とするのか、何を強みとして伝えるのか、どの販路を優先するのか、何に予算を使うのか。そこまで具体的に決めなければ、実際の仕事は変わりません。AIを使えば、こうした計画を作ること自体は以前より簡単になりました。
だからこそ、コンサルタントには、その会社の実情を踏まえて計画を修正し、実行につなげていく力が求められるのだと思います。
AIに相談するか、コンサルタントに相談するか
私は、この二つを対立させる必要はないと思っています。
一般的な情報を調べたい時や、考えを整理したい時には、AIを積極的に使えばよいでしょう。費用も時間も抑えられます。
一方、自社の問題がどこにあるのかわからない時、これまでの方法では成果が出ない時、新しい事業に踏み出そうとしている時には、外部のコンサルタントに相談する価値があります。
ただし、誰に相談しても同じではありません。
そのコンサルタントが、自社の事業や現場を理解しようとしてくれるか、できるのか。一般論ではなく、自社で実行できる形に落とし、その具体的な方法まで考えてくれるか。そして、必要な時に経営者と一緒に問題に向き合ってくれるか。
私は、そうした点を確認して選ぶことが大切だと思います。
これまで私は18年間にわたって全国各地500社以上の中小企業の経営やマーケティングに関わるさまざまな相談を受けてきました。実務に携わってきた経験も含めて、常に意識しているのは、机上の理論で終わらせないということです。
もちろん、すべての課題を一気に解決できるわけではありません。それでも、経営者が直面している問題を具体的に捉え、次に何をするべきかを一緒に考え、必要に応じて実行まで支援することを大切にしています。
AIが答えを出せる時代だからこそ、人間のコンサルタントは、その答えを使って会社をどう変えていくのかが問われています。
私は、そこにこそ、これからのコンサルタントの存在価値があると考えています。
経営・マーケティングのご相談

株式会社ホワイトナイトでは、中小企業の経営課題やマーケティングに関するご相談をお受けしています。
現在の取り組みが成果につながっていない、新しい事業を進めたい、社内だけでは判断が難しいといった課題について、現状を確認したうえで、具体的な対応策を検討します。
必要に応じて、戦略や施策の立案だけでなく、実行に向けた支援にも対応しています。
基本的には私新井が担当させていただくようにします。
御社の課題を一緒に解決していきましょう。




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