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堀江貴文氏のTHE RICH出資で見える新トレンド:著名人投資×広告出演が変える企業PRの未来


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2024年、ビジネス界に新たな潮流が生まれている。著名人が単なる広告塔ではなく、投資家として企業に参画し、自らの影響力で事業成長を後押しする——そんな「投資×PR」の新しい形が注目を集めている。


堀江貴文氏、株式会社THE RICHへの出資を発表


本日、実業家の堀江貴文氏が株式会社THE RICHへの出資を発表した。同社は高級シャンプー「SILK THE RICH」などのヘアケア製品を手がけるスタートアップで、格闘家の朝倉未来氏も取締役として参画している。


堀江貴文氏は実業家でありつつ、芸能人と同等以上の知名度のある著名人でもある。その意味で、この出資発表は、単なる資金調達のニュースを超えた意味を持っている。それは、著名人が投資家や経営陣として事業に深く関わり、同時にその影響力を活用してブランド価値向上に貢献するというビジネスモデルの象徴的な事例の一つになりうるからだ。


プログリット×本田圭佑に見る「投資×広告」の成功モデル


このトレンドの先駆的事例として、英会話サービス「プログリット」の取り組みが挙げられる。同社は元サッカー日本代表の本田圭佑氏から出資を受けており、本田氏は投資家でありながら、同時に広告にも出演している。電車内広告などで目にした人もいるのではないだろうか。


なぜこのモデルが効果的なのか?


1. 真の体験者としての説得力 特に投資家として事業に関わる著名人は、単なる起用タレントではなく、事業の成長を真剣に願う当事者である。そのため、広告での発言や表現に自然な説得力が生まれる。

2. 長期的なコミットメント 投資家として参画することで、短期的な広告契約を超えた長期的な関係性が構築される。これにより、ブランドとの一体感が醸成され、より深いレベルでの支援が期待できる。

3. コストパフォーマンスの向上 著名人への高額な広告出演料を支払う代わりに、投資を受けるという形でタッグを組み、さらに広告出演を得る。企業側にとっては実質的なコスト削減効果もある。


堀江氏のケースでも、通常であれば、広告出演を依頼すれば高額な金額を払わなければならない。ただ出資という点で関わることでプログリットと類似の効果も企業側は享受できる可能性が高まる。


著名人にとってのメリット:新たな収益源と社会的影響力

この新しい形は、著名人側にとっても多くのメリットがある。


多様化する収益源

従来の出演料収入に加えて、投資による将来的なリターンが期待できる。特に成長性の高いスタートアップへの投資は、大きな資産形成の機会となる可能性がある。


社会的影響力の拡大

エンターテイメントやスポーツをはじめそれまで関わってきた分野を超え、ビジネスや社会課題解決に関わることで、著名人としての影響力をより建設的な方向に活用できる。


事業への深い理解

投資家として事業に関わることで、ビジネスの仕組みや市場動向への理解が深まり、著名人自身の見識向上にもつながる。


企業側が得る複合的価値

企業にとって、このモデルは複数の価値を同時に提供する。


資金調達

まず基本的な資金調達効果がある。特にスタートアップにとって、著名人からの出資は事業拡大のための重要な資金源となる。


ブランド価値向上

著名人が投資家として参画することで、ブランドの信頼性や注目度が大幅に向上する。これは金銭では買えない無形資産の創出と言える。


マーケティング効果

投資家でもある著名人が広告に出演することで、従来の起用タレントとは異なる深みのあるメッセージ発信が可能になる。


ネットワーク効果

著名人が持つ人脈やネットワークを通じて、新たなビジネスチャンスや協業機会が生まれる可能性がある。


芸能界の構造変化が後押しする新トレンド

近年、芸能界では事務所から独立して個人で活動する著名人が増加している。この構造変化が、今後、「投資×広告」モデルの普及をさらに後押ししていく可能性もあるだろう。


個人の裁量拡大

事務所の制約から解放された著名人は、より自由に投資判断を行い、事業参画を決定できるようになった。


直接的な関係構築

事務所を介さない直接的な企業との関係構築により、より密接で柔軟なパートナーシップが可能になっている。


リスクテイクの自由度

個人として活動することで、従来のタレント活動では困難だった投資リスクを取ることができるようになった。


業界を超えて広がる可能性

この新トレンドは、スタートアップに限らず、様々な業界に広がる可能性を秘めている。


伝統産業への応用

老舗企業や伝統産業においても、著名人投資家の参画により、ブランド刷新や若年層へのアプローチが可能になる。出資ではないが、サッカー元日本代表の中田英寿氏の日本酒関連の活動などは類似ケースと言えるだろう。


社会課題解決分野

環境問題や社会課題解決に取り組む企業において、著名人の参画は社会的関心の喚起に大きな効果を発揮する可能性がある。


地方創生への活用

地方企業や地域ブランドにとって、著名人投資家の参画は全国的な認知度向上の強力な手段となり得る。


注意すべきリスクと課題

一方で、この新モデルには注意すべき点もある。


著名人のイメージリスク

投資家として参画した著名人にスキャンダルが発生した場合、企業ブランドへの影響は従来の起用タレント以上に深刻になる可能性がある。SNSの力が強い現在、この点はより気を付けるべきである。特に個人で活動している著名人の場合、事務所所属の場合よりも、リスクはより大きくなる可能性がある。


投資判断の透明性

著名人の投資判断基準や、広告出演との関係性について、情報開示が求められた場合、企業側は適切に答えられるようにしておいた方が良い。


長期的関係の維持

投資関係は長期にわたるため、著名人と企業の間で方向性の違いが生じた場合の対処方法を事前に検討しておく必要がある。


まとめ:Win-Winのビジネスモデル


堀江貴文氏のTHE RICH出資発表は、単なる出資の発表というだけでなく、著名人、企業の両者にとってメリットのあるビジネスモデルの可能性を示す効果をもたらした。


著名人にとっては新たな収益源と社会的影響力の拡大、企業にとっては資金調達とブランド価値向上の同時実現——このようなWin-Winの関係構築が可能になる。


今後、このトレンドがどのように発展し、どのような新しい成功事例が生まれるのか、引き続き注目していきたい。従来の広告業界にはなかった動きは、新しい形としてビジネス界にインパクトを与える可能性を秘めている。


参考資料:


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