こんにちは。マーケティング・経営コンサルタントの新井です。
当社は中小企業に特化し、マーケティングの戦略から実行までを中心に事業を展開しています。
今回のテーマは、1日を良いものにするための「中小企業のマーケティングで陥りがちな5つの落とし穴」です。
当社は、マーケティグに苦戦しているという課題を抱えている中小企業の経営者・担当者からの相談をよく受けます。これまでご相談があった中から、その理由を探り、解決策を考えてみましょう。
明確な戦略の欠如
最も多い理由は、明確な戦略を決めずにマーケティング活動を始めてしまうことです。「とりあえずSNSを始めよう」「インフルエンサーに依頼してみよう」「ネットでPRをしてみよう」「チラシを配ってみよう」というようなものです。中小企業にとって、行動量を増やしてくことは重要なことではあるのですが、戦略がなく場当たり的な行動は、効果を生みにくいばかりか、貴重な資源の無駄遣いにもなり、中期的にはマイナスになることもあります。
対策:ターゲット、自社の強み、提供価値を明確にし、それに基づいた戦略を立てましょう。これは全てのマーケティング戦略の基礎になりますので、しっかりと立ててください。
顧客理解の不足
これも中小企業に多いのですが、自社の製品やサービスばかりに目が向き、実際の顧客やターゲットのニーズを見落としがちです。そもそもターゲットをきちんと設定せず、自分たちの思い込みでマーケティングをしようとして「こんなに良い商品なのになぜ売れないのか」というような事態になることもよくある話です。自分たちの思い込みではなく、顧客・ターゲットはどんな人なのか、彼らは何を欲しているのかという声に耳を傾ける必要があります。
対策:顧客アンケート、SNSやイベントでの対話、販売現場からのフィードバックなど、顧客の声を積極的に集めましょう。
一貫性の欠如
マーケティングはすぐに効果が出るものと中期的に効果が出るものがあります。例えばリスティング広告のようなものであれば、広告を出した結果、どれだけの反応があったのか、どれだけ商品が売れたのかはすぐに出ます。しかしブランディングやSEOなどは効果が見え始めるのに最低半年はかかります。今日はSNS、明日は新聞広告、明後日はイベント出展と、場当たり的にアクティビティを行ったり、朝令暮改のような一貫性のないメッセージは、顧客の混乱を招き、ブランドイメージの構築を妨げます。
対策:戦略を決めたらぶれず、フォーカスして具体策も進めていきましょう。KPIやKGIは決めておいて、一貫した戦略の中で改善していくことは重要です。それでも結果が出ない場合には1年後くらいを目処に戦略の見直しやPIVOTも考えられるでしょう。そこまでは苦しい状況でも、一貫した戦略、メッセージを大事にしてください。
ROIの軽視
費用対効果(ROI)を考慮せずにマーケティング活動を行うと、貴重な予算を無駄にしてしまいます。特に予算の限られる中小企業にとって、これは致命的です。
対策:各マーケティング施策のROIを測定し、効果の高い施策に予算を集中させましょう。
デジタルマーケティングの軽視
最近はかなり少なくなりましたが「デジタルはよくわからない」「取引先とのマーケティングにおいては特に強化しなくて良い」という判断から、デジタルはおまけでリアルがメインという古いマーケティングの考え方にこだわる企業もあります。時代は変わりました。マーケティングはデジタル抜きでは考えられません。
対策:ターゲット、商品ありきではありますが、基本的にデジタルを軸に物事を考える習慣を身につけてください。そうすると従来型のマーケティングの考え方も、より一層生きてくるようになります。
結論
中小企業のマーケティングの失敗は、上記のような要因が複合的に作用して起こることが多いのが実情です。上記のように失敗パターンはある程度決まっているので、これらを認識いただいた上で、適切な対策を講じておくことで、失敗を減らし、マーケティングを効果的に行うことができるようになります。
重要なのは、自社の現状を客観的に分析し、顧客視点に立ったマーケティング戦略を立てること。そして、その効果を継続的に測定し、改善を重ねていくことです。
マーケティングは日々続けていくもので、必ずしもすぐに結果が出ないこともあります。しかし、正しい方向性を持って粘り強く取り組むことで、必ず成果は現れます。大企業と比べ、中小企業はその結果を出しやすいとも言えます。中小企業が本来持っている強みを活かしたマーケティング戦略を展開できれば、大企業にも負けない競争力を持つことができるのです。
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