コンテスト審査員の仕事
- 新井 庸支

- 9月13日
- 読了時間: 3分

今日は、全国各地から集まった工芸品や食品150品を審査するコンテストの審査員を務めさせていただきました。この審査員は今年で2年目。他にもこれまで行政・民間問わず、多くの審査会や講評会に携わってきましたが、毎回必ず新しい発見があります。今回も例外ではありませんでした。
素晴らしい商品の数々、そして課題
審査を通して改めて実感したのは、全国各地に眠っている素晴らしい商品の存在です。技術力や品質の高さに驚かされました。その一方で、それだけ魅力ある商品がなぜ全国に知られていないのだろう、売れていないのだろうと感じることもありました。
審査ではいろいろ気になりますが、一番多かったのは、商品開発を含めたマーケティング戦略から認知・購買に結びつける戦術レベルでのばらつきです。「誰に向けて売りたいのか」「どこで売りたいのか」「なぜその価格設定なのか」といった基本的な戦略が曖昧なケースが少なくありません。また、商品ネーミングやロゴ、コピーが本来の魅力を十分に表現できていない商品も見受けられました。
厳しい意見を言うこともプロとしての責任
私がコンサルティングを行う際に大切にしているのは、企業を応援する気持ちと同時に、プロとしての率直な視点を提供することです。ものづくりをしている企業は心から尊敬しますが、それは無条件に肯定することとは違います。あたりまえのことですが、依頼される理由は単に褒めて欲しいからではなく、売上や利益向上につながる具体的なアドバイスを求めているからです。
これまでのコンサルティングで、クライアントから「こんなに丁寧に向き合ってくれるコンサルはいなかった」「なんでも相談できた」という言葉をいただく一方で、「改善すべき点をはっきり指摘してもらえて良かった」「厳しいけれどわかりやすい言葉で課題を伝えてもらえた」というフィードバックもいただいてきました。
黒子としての思い
私にとって何より大切なのは、企業が成長し、経営者が自信を持って事業に取り組めることです。黒子として企業や経営者の成功を支え、その喜ぶ姿を見ることが最大の喜びです。このスタンスは今後も変わることはないでしょう。
今回の審査でも、素晴らしい商品と改善の余地がある商品の両方がありました。150社すべてに直接お話しできればよいのですが、現実的には困難なため、審査シートに率直な評価とコメントを記載させていただきました。
今回審査をした商品の企業も含め、私は全国各地で頑張る企業の皆様を心から応援しています。すべての企業が、本来持っている魅力を最大限に発揮し、市場で輝けることを願っています。
株式会社ホワイトナイト
コンサルタント
新井 庸支



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