中小企業が新規事業を成功させるための段取りと注意点
こんにちは。マーケティング・経営コンサルタントの新井です。
私は中小企業に特化し、全国各地の中小企業様に、マーケティングの戦略から実行を中心に、経営面まで、経営者の抱える課題全般の解決のサポートをさせていだいています。これまで200社以上のコンサルをさせていただいており、定めたゴールに対する達成度は90%以上を継続しています。
今回のテーマは「中小企業が新規事業を成功させるための段取りと注意点」です。
新規事業参入の検討ポイント
中小企業にとって、新規事業の立ち上げは事業成長と生き残りの鍵となる重要な戦略です。しかし、リスクも伴う新規事業を成功に導くには、どうすれば良いのでしょうか。以下に新規事業を検討する中小企業がチェックすべき項目をまとめました。新規事業立ち上げを検討される方は特にご覧いただき参考にしてください。
目的 新規事業を始める目的を明確にしましょう。例えば、現状の売上をカバーするための短期的な目的なのか、中長期的な事業成長のための新しい柱を作るためなのかなど、何のために新規事業を始めるのかを明確にしてください。
目標 新規事業の売上・利益目標を定めましょう。その時に、いつの段階で達成すべき目標なのかを明確にしてください。中長期的な目標を定めれば、短期的に状況が芳しくなくても、感情に左右されることがなくなります。なお目標を定めた後に、KPIを設定しておくのも良いでしょう。
調査 目的・目標が明確になったら、ターゲット顧客ニーズの把握です。自社の技術から発想する方法もありますが、基本的には顧客ニーズがマーケティングの起点となります。顧客ニーズ、市場規模、競合状況などを分析しましょう。分析手法としてはネットリサーチやグループインタビューなどの調査も有効です。調査に費用がかけられないのであれば、ターゲット顧客に近しい人たちから話を聞くということも、やらないよりはやった方が良いです。ただし、やってはいけないのは、できるだけ多くの人の話を聞く目的で、ターゲット顧客以外の人たちの話を参考にすることです。経営者や役員であっても、ターゲット顧客でない場合には、その意見には従わないべきでしょう。
事業アイデア ターゲット顧客ニーズがわかったら、事業アイデアを考えてみてください。アイデアを考える際、出てきたアイデアをチェックする際には、以下の内容が重要になりますので参考にしてください。
強みの活用ができているか 既存事業で培った技術やノウハウ、顧客基盤などの強みを新規事業に活かすことで、成功の確率を高められます。新規事業を行う上で、既存事業
とのシナジーが生まれるかどうかも考えましょう。
差別化できているか 競合との違いを明確にし、独自の価値提案を行うことが重要です。価格、品質、サービス、ブランドイメージなど、様々な観点から自社の強みを活かした差別化ポイントがあるかどうかを確認しましょう。
リソースは十分か 新規事業に必要な人、物、金を可視化します。その上で、考えている事業が自社のリソースでやり切れるのかを検討しましょう。なお、自社リソースで完結しない場合には、適切な人材の雇用、資金調達など外部リソースの検討になります。ROIを考えた時に、そこまでかけるべきなのかを冷静に見極めましょう
財務計画 事業アイデアが固まったら、初期投資だけでなく、黒字化までの運転資金も含めた詳細な財務計画を立てましょう。
マーケティング計画 事業アイデアと財務計画が固まったらマーケティング計画を立てましょう。事業アイデアと目標を見ながら、戦略と戦術を作っていきましょう。専門的な部分を含みますので、マーケティングのプロに入ってもらった方がスムースにいく可能性が高まります。
撤退基準 撤退基準を決めておくことは重要です。新規事業は必ずしも成功するとは限りません。うまくいかなった時のことも想定しておくべきです。事業中止をする撤退基準を新規事業開始前に決めておくと、うまくいかなくなってから考えるよりも冷静かつ明確に撤退することができます。株で言う損切りラインを決めておきましょうということです。
撤退時の担当者への扱い 新規事業撤退となった際、その結果だけで担当者の評価を下げてはいけません。挑戦する姿勢は評価できるものですし、残念ながらここで得た経験やノウハウはまた別の新規事業の際にも活かせるでしょう。成功しなかったしても、再挑戦できる土壌にしておくことで、社内や担当者のモチベーションも上がることでしょう。
まとめ
中小企業が新規事業を成功させるための段取りと注意点について、できるだけシンプルに書きました。
新規事業の立ち上げは企業にとって大きな挑戦です。チャンスだけでなく、リスクも伴うのですが、一か八かという進め方でなく、負けないやり方で挑んでいきたいものです。
新規事業は関わる人の思い入れが強くなりがちです。それはモチベーションという推進力になる反面、熱を帯び過ぎ周りが見えなくなるマイナスになることもあります。こうした状況を踏まえ、常に客観的に意見や助言ができる存在は、新規事業推進の際には推進役・ブレーキ役としても必要です。半年間程度、外部の良いコンサルタントを入れたほうが、結果的にスムースに進み、成功に近づくことでしょう。
当社は、こうした取り組みを豊富に支えています。新規事業を進めたい、進め始めたがうまくいっていないという企業様は、ぜひ当社までお問い合わせください。基本的にはコンサルタントである私が担当いたします。
円安、日本の景気低迷他、中小企業を取り巻く環境は劇的に変化をしています。既存事業だけでなく新規事業を検討することは、多くの中小企業にとって避けてはならないポイントではないでしょうか。
株式会社ホワイトナイト コンサルティング事業部
コンサルタント 新井 庸支(プロフィール)
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