マーケティングコンサルEye「顧客満足度向上の現状とこれから」
こんにちは。マーケティング・経営コンサルタントの新井です。
私は中小企業に特化し、全国各地の中小企業様に、マーケティングの戦略から実行を中心に、経営面まで、経営者の抱える課題全般の解決のサポートをさせていだいています。これまで200社以上のコンサルをさせていただいており、定めたゴールに対する達成度は90%以上を継続しています。
今日のテーマは、”マーケティングコンサルEye「顧客満足度向上の現状とこれから」”です。企業にとって重要な顧客満足度についてお伝えします。
顧客満足度をとりまく現状
消費者ニーズの多様化と細分化が進む現代社会において、従来の「すべての顧客に対して公平に接する」という顧客満足度向上の手法は、必ずしも効果的ではなくなってきています。企業と顧客の関係性が変化し、マス・マーケティングの時代から、よりパーソナライズされたアプローチが求められる時代へと移行しています。
この変化の背景には、以下のような要因があります。
1.消費者の価値観の多様化:個が重視されることにより、まわりと同じでなくても良いと考える消費者が増加した。また、一律のサービスでは満足できない顧客層も増加している。
2.情報技術の発達:顧客データの収集と分析が容易になり、個々の顧客ニーズを把握しやすくなった。
3. 競争の激化:差別化戦略としてターゲット顧客への集中が重要になっている。
4. SNSの普及:企業と顧客の直接的なコミュニケーションが可能になり、関係性が深化している。
こうした状況下で、企業は「誰に対しても、公平に、できるかぎり良く接する」というスタンスから、自社のターゲット顧客に焦点を当て、その顧客層との深い関係性を構築することを重視する方向に変更することが課題であり、重要になっています。
顧客満足度向上に向けた先々への展望
これからの顧客満足度向上のアプローチとして、以下のような方法が考えられます。
1. ターゲット顧客の明確化:自社の強みや理念に合致する顧客層を特定し、そのニーズに特化したサービス提供を行う。
2. コミュニティの形成:ブランドを中心としたコミュニティを形成し、 企業とターゲット顧客ならびにターゲット顧客同士の交流や企業との対話の場を創出する。
3. 価値観の共有:企業の理念や社会的責任に共感する顧客との関係を深め、単なる取引を超えた絆を構築する。「売る側=企業、買う側=顧客」ではなく、企業と顧客が同じ目線で世の中と向きあえるような価値観を共有する
4. 顧客との共創:製品開発やサービス改善のプロセスにターゲット顧客も参加してもらい、双方向のコミュニケーションを通じて価値を創造する。これは製品開発やサービス改善だけの話ではなく、その先の販売への波及効果も出てくる。販売に関しては、ターゲット顧客にアフィリエイトプログラムを用意するなどして、一緒に開発し、一緒に世の中へ届け、一緒に喜びを共有するという形も取りやすくなる。
5. 長期的な関係性の構築:短期的な売上増加ではなく、顧客生涯価値(LTV)の最大化を目指した戦略を立てる。ビジネスである以上、顧客に商品やサービスを買ってもらうことは重要である。しかし、それを強くやりすぎれば「売る側=企業、買う側=顧客」の一方通行へ
逆戻りである。あくまで顧客の満足度・喜びを第一に考えて動くことにより、その場で購入してくれなくても5年、10年スパンで考えれば、結果的にプラスになるという判断ができるようにしておく。
6. エンゲージメントの質の向上:頻度だけでなく、各接点での顧客体験の質を高め、感動や共感を生み出す。その際、顧客データやAIパーソナライゼーションの活用も踏まえると、よりきめ細やかな対応ができ、エンゲージメントの質はさらに向上する。
まとめ
これらのアプローチを通じて、企業は特定の顧客層との間で相互理解と尊重に基づいた関係性を構築することができます。この新たな関係性は、従来の満足度を超えた顧客ロイヤルティに繋がっていくことでしょう。
ただし、このアプローチには注意点もあります。特定の顧客にターゲティングすることで、その他の部分の潜在的な市場機会を逃す可能性があります。またターゲティング顧客とは関係を深めることができる反面、ターゲティングから外れた顧客層との関係性は薄くなるリスクがあります。ただオールターゲットへ向けた施策の効果が薄くなり、その結果、ターゲットを絞るという流れができ、顧客のターゲティングを決断した以上、ある程度のリスクは許容しておくことが大事でしょう。ただし、間違えてはいけないのは、ターゲットから外れた人たちを不要にするということではありません。プライオリティの付け方としては低めになりますが、できる限り顧客のために満足度を高めるという全体スタンスは心に留めてください。
そして将来的には、テクノロジーの進化により、さらに高度なパーソナライゼーションが可能になると予想されます。しかし、技術に頼りすぎず、人間的な温かみや倫理的配慮を忘れないことが重要です。
顧客満足度向上の本質は、企業と顧客が互いの価値観を理解し、共に成長していく関係性を築くことにあります。この新たなパラダイムのもと、企業は自社のアイデンティティを明確にし、それに共感する顧客との絆を深めていくことが、持続可能な成長への鍵となるでしょう。
当社ではマーケティングコンサルの一環として、顧客満足度向上のための戦略作りにも携わっています。また具体的に何をしたら良いのか、企業の実情に即して戦術の作成にも携わっています。顧客満足度に課題を感じていたり、さらに発展させていきたい企業様はぜひご相談ください。
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